先日、お友達の某さんと猫三上の話をしてちょう萌えたのを思い出しながら食事をしていたら、急に三渋ネタが浮かんだので書いてみました↓追記に。
本当は次に更新するまで日記書くつもりなかったんだけどな!!
突発的、しかもにゃん×5の日である今日中に絶対上げようと思っていたので、色々とおかしいですけど良ければどうぞ。
擬獣化注意。
本当は次に更新するまで日記書くつもりなかったんだけどな!!
突発的、しかもにゃん×5の日である今日中に絶対上げようと思っていたので、色々とおかしいですけど良ければどうぞ。
擬獣化注意。
聴こえてきた音に、ぴくりと耳を動かす。
――かえってきた。
「ただいま、三上…なんだ、珍しいな」
普段は絶対に出迎えなんかしないけど、今日に限って玄関まで出てやったのは、こいつの足音がいつもと違ったからだ。やけにゆっくりで、そういえば今朝の様子もなにやらおかしかったと思い出す。
『別にお前を心配してるわけじゃない』と示すため、低く唸ってみせる。
少し血の気の引いた疲れた顔が、申し訳なさそうに笑んだ。
「ごめんな、腹が減ったんだよな。遅くなって悪かった」
だらだらとした足取りで台所に向かう渋沢の、少し後ろをついて歩く。
見上げれば、いつも姿勢の良い主人は少しだけ頭を垂らしていて、見るからに具合が悪そうだ。
飯を皿に盛った後、奴はおれが食事を終えるまで隣に座っていた。
立てた膝に腕と頭を乗せ、ぼんやりとした顔でずっとこちらを見ている所為で落ち着かない。お陰で何度も何度も奴の顔色を伺わなければいけなかった。
食べ終えると、渋沢はおれの頭を少し乱暴に撫でてから、途中で何度かよろけながらベッドに横になった。まだあいつは何も食べてない。
滅多に一緒に寝てやることなんて無いのに、それでもおれが自由に通れる様にと、奴はいつも寝室の扉を開けておく。今日もそうだ。妙に苛々して、尻尾を床に叩きつける。
ベッドから少し離れたところに座って、渋沢の色の悪い横顔を見遣る。太い眉が寄せられて皺が出来ている。少し開いた唇から漏れる息は荒い。
暫く近くをうろついて起きないのを確認してから、布団の上に飛び乗る。柔らかな羽毛布団がぼふりと乾いた音を立てた。
頭の近くに寄り、顔を覗く。寝顔でさえ辛そうに歪めている主人は少しも起きる気配がない。
傍に寝転んで渋沢の左肩に頭を乗せた。ほんの少しだけ呼吸が楽そうになったのは、気の所為だろうか。
そのまま目を閉じ、小さく喉を鳴らした。
おれが人間だったら、飯を作ってやったり、部屋を温めてやったり、風が通らないように扉を閉めることだって出来るのに。
音を立てないように、尻尾を何度も揺らした。
カーテンの隙間から陽の光が差し込み始めた頃、渋沢は目を覚ました。
時間を確認しようと身体を動かしかけ、その肩に掛かる重みに気が付く。
目をやれば、黒い三角の耳がぴくぴくと動いた。見覚えのあるそれは正しく。
「……三上?」
飼い猫が左肩に頭を乗せて、真っ黒な毛の生えた腹を静かに上下させていた。
「…珍しいな…」
一緒に寝ることはおろか、抱くことすら滅多にさせないこの猫が、何故自分と同じ布団で寝ているのだろうか。
常に無い空腹感を覚え、その理由に至った。そういえば昨夜は体調が悪く、餌をやったあと食事もせずに直ぐ横になったのだ。
自然、笑みが浮かぶ。
「心配してくれたんだな…ありがとう」
そっと右手で頭を撫でてやると、眠っていて尚、満足そうに息を吐く彼をいとおしく思う。
空っぽの胃は暫く放っておくことに決め、渋沢は三上が目を覚ますまで、稀有で幸せな朝の一時を堪能した。
――かえってきた。
「ただいま、三上…なんだ、珍しいな」
普段は絶対に出迎えなんかしないけど、今日に限って玄関まで出てやったのは、こいつの足音がいつもと違ったからだ。やけにゆっくりで、そういえば今朝の様子もなにやらおかしかったと思い出す。
『別にお前を心配してるわけじゃない』と示すため、低く唸ってみせる。
少し血の気の引いた疲れた顔が、申し訳なさそうに笑んだ。
「ごめんな、腹が減ったんだよな。遅くなって悪かった」
だらだらとした足取りで台所に向かう渋沢の、少し後ろをついて歩く。
見上げれば、いつも姿勢の良い主人は少しだけ頭を垂らしていて、見るからに具合が悪そうだ。
飯を皿に盛った後、奴はおれが食事を終えるまで隣に座っていた。
立てた膝に腕と頭を乗せ、ぼんやりとした顔でずっとこちらを見ている所為で落ち着かない。お陰で何度も何度も奴の顔色を伺わなければいけなかった。
食べ終えると、渋沢はおれの頭を少し乱暴に撫でてから、途中で何度かよろけながらベッドに横になった。まだあいつは何も食べてない。
滅多に一緒に寝てやることなんて無いのに、それでもおれが自由に通れる様にと、奴はいつも寝室の扉を開けておく。今日もそうだ。妙に苛々して、尻尾を床に叩きつける。
ベッドから少し離れたところに座って、渋沢の色の悪い横顔を見遣る。太い眉が寄せられて皺が出来ている。少し開いた唇から漏れる息は荒い。
暫く近くをうろついて起きないのを確認してから、布団の上に飛び乗る。柔らかな羽毛布団がぼふりと乾いた音を立てた。
頭の近くに寄り、顔を覗く。寝顔でさえ辛そうに歪めている主人は少しも起きる気配がない。
傍に寝転んで渋沢の左肩に頭を乗せた。ほんの少しだけ呼吸が楽そうになったのは、気の所為だろうか。
そのまま目を閉じ、小さく喉を鳴らした。
おれが人間だったら、飯を作ってやったり、部屋を温めてやったり、風が通らないように扉を閉めることだって出来るのに。
音を立てないように、尻尾を何度も揺らした。
カーテンの隙間から陽の光が差し込み始めた頃、渋沢は目を覚ました。
時間を確認しようと身体を動かしかけ、その肩に掛かる重みに気が付く。
目をやれば、黒い三角の耳がぴくぴくと動いた。見覚えのあるそれは正しく。
「……三上?」
飼い猫が左肩に頭を乗せて、真っ黒な毛の生えた腹を静かに上下させていた。
「…珍しいな…」
一緒に寝ることはおろか、抱くことすら滅多にさせないこの猫が、何故自分と同じ布団で寝ているのだろうか。
常に無い空腹感を覚え、その理由に至った。そういえば昨夜は体調が悪く、餌をやったあと食事もせずに直ぐ横になったのだ。
自然、笑みが浮かぶ。
「心配してくれたんだな…ありがとう」
そっと右手で頭を撫でてやると、眠っていて尚、満足そうに息を吐く彼をいとおしく思う。
空っぽの胃は暫く放っておくことに決め、渋沢は三上が目を覚ますまで、稀有で幸せな朝の一時を堪能した。
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